レポート Report

ようやく掴んだPP、明日は全集中で優勝を目指す!

2年ぶりに行われるここSUGOからついにシーズン後半戦が始まる。#8 ARTA NSX-GTは13ポイントを獲得し、ランキングは11位となっている。ここから巻き返してチャンピオン争いに加わりたい。

前回のレースでは予選と決勝で車の挙動が大きく変わってしまい、ポイントを獲得する事が出来なかったが、チームとドライバーは今回のレースまでに問題点を洗い出し、ここSUGOに乗り込んできた。フリー走行から車のバランスは良く、1番手でセッションを終える。車は安定しているようだ。

Q1は野尻智紀が出走。野尻はセッション開始後、2分ほどしてからコースイン。ゆっくりとタイヤを暖めながら4周目にアタックに入った。トップタイムを記録したが、その後タイムを塗り替えられてしまい4番手でQ1を終えた。Q2進出を果たしが、野尻は車のパフォーマンスに満足していないようだ。車の状態をチームに伝え、Q2へ向けて車の調整を行った。

Q2は福住仁嶺。福住は残り7分を切ったところでコースイン。4周目にアタックへ入っていった。福住は素晴らしい集中力で唯一1分9秒台のタイムを記録し、見事ポールポジションを獲得した。


鈴木亜久里監督のコメント

「ようやくポールポジションが獲れたね。前回の鈴鹿で上手く行かなかったから、終わってから皆でじっくりミーティングしたんだよね。それが良い方向に行ったんだと思うんだけど、肝心なのは明日の決勝だから、このまま優勝出来るように気を抜かずに頑張ります」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「今まで結構辛いシーズンで、ボク達らしいパフォーマンスを魅せる事が出来ていませんでした。このレースに向けて、エンジニア、ドライバーでより一層コミュニケーションを深めてきました。車の細かい動きをどうやって改善するかをしっかり話し合ってきました。だから、今日の結果は本当に嬉しいです。しかし、大事なのは明日なので、ロングセットをしっかり決めて、昨年出来なかったポール・トゥ・ウィンで終わりたいです」

野尻智紀選手のコメント

「走り出しから調子も良く、チームがここまで頑張ってくれて良いクルマを用意してくれました。ボク達もチームの努力を知っていましたし、この菅生で良い結果を出したいと強く思っていたので、まずはこの予選で福住選手が素晴らしいアタックを決めてくれてポールからスタート出来ることになったので、非常に良かったと思っています。明日は、自分たちで作ったこの波を逃さないようにしっかり戦って行きたいと思っています」

福住仁嶺選手のコメント

「鈴鹿で成績が悪かったので、チームといつも以上に細かいミーティングを行いました。色々な人の協力もあって、今回ポールポジションが獲れたので一安心しています。前回のレースではパフォーマンスが良くなかったので、今回は絶対に優勝したいです。今日の結果は嬉しいんですけど、明日のためにチームとしっかり考えていきたいと思います」

電気系トラブルでQ2進出も危ぶまれたが、見事5番手で決勝に挑む

午前のセッションは走り出しから調子が良く、2番手のタイムでセッションを終える。今回も#55 ARTA NSX GT3はQ1をA組で出走。セッション開始と同時に高木真一がコースインするが、ここで予想外の電気系統のトラブルに見舞われてしまう。

すぐにピットに入り、修復を行った。幸いにもすぐに修復が完了しピットアウトしたが、残り時間が少なく、Q1突破が危ぶまれた。そんな状況でも高木は慎重にタイヤに熱を入れ、アタックに入っていった。各セクターのタイムはQ1を通過出来るかどうかギリギリのタイムだったが、高木は何とか上手くまとめて4番手のタイムを叩き出し、セッション終了間際でQ2進出を決めた。

Q2は佐藤蓮が担当。3周のウォームアップ後にアタックラップへ入っていった。2回目のアタックでベストラップを叩き出し、5番手のタイムで予選を終えた。明日は、3列目から優勝を狙う。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「いつもどおりの速さに戻ってくれて一安心です。茂木、鈴鹿とちょっとパフォーマンスが落ちていて、その原因が分かったので、速さを取り戻せたと思います。予選は5番手でしたが、ここから表彰台は見えるので明日は追い上げます」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「走り出しはタイヤが結構グリップしていて、午前中は2番手で終える事が出来ました。Q1は電気系のトラブルがあって、緊急ピットインをしましたが、何とか修復し残り少ない時間でも高木さんがプッシュしてくれてQ1を突破してくれました。残り少ない時間でもQ2に行けるパフォーマンスがあったので、それは良かったと思います。Q2に関してパフォーマンスやトラフィックの影響は無かったので、ボク達が出せる力は出し切れたのかなと思います。トップに対して何が足りないのかはデータを見て次戦以降の予選のパフォーマンスを高められるようにしたいです。明日はいくつか試したアイテムで良かったところがあったので、鈴鹿の決勝のような良いパフォーマンスで走れると思いますので、明日も頑張ります」

高木真一選手のコメント

「朝の走行で持ち込みのセットが良くて、決勝のセットを進めていたら、車のバランスが良くて、いい方向へどんどん進んで行きました。決勝セットを進めたんですけど、予選でも行けそうなセットが見つかりました。上位へ行ける手応えがありましたが、タイヤ的には午前より午後の方が5℃くらいあがる見込みだったのですが、ボク達にとっては良い方向に行きませんでした。それが蓮が良いタイムを出せなかった理由だと思います。明日はしぶとく行けばトップまで行ける自信はあるので、頑張りたいと思います」

佐藤蓮選手のコメント

「Q1で朝から出ていた電気系のトラブルが出てしまい、アタック出来るかどうか怪しいところだったんですが、チームが迅速な対応をしてくれて、高木さんが素晴らしいアタックを決めてQ2進出が出来ました。Q2はタイヤの戦略やセットアップ面で少し外してしまったところもあって、自分たちが期待していた順位になりませんでした。しかし、フリープラクティスでのロングランは良い感触でしたので、明日は順位を上げて行きたいです」

ペナルティがペナルティを呼ぶ負のスパイラルに。しかしマシンは好調なので次戦に望みをつなぐ

スポーツランドSUGOは朝から天候に恵まれ、絶好のレース観戦日和となった。

フォーメーションラップは2周の予定だったが、隊列が整わなかったという理由で3周後にスタートが切られた。決勝レースは84周だったが、これにより83周のレースとなった。

スタートを担当した野尻智紀は後続車との間合いを図りながらスタートを切り、トップをキープしたまま、1周目を終える。2番手の車に猛追されるが、4周目を過ぎたあたりから徐々に差を広げて行く。10周目には2番手に7秒以上の差をつけて独走状態。野尻は30周目で2番手に16秒の差をつけて、31周目にルーティンのピットイン。福住仁嶺に交代。

福住は8番手でコースに復帰。37周目には元の順位の1番手に復帰。そのまま福住はトップを快走。しかし、ルーティンのピットインで作業違反があり、ドライブスルーペナルティーを受けてしまう。しかし、ここで19号車が最終コーナーで止まってしまい、セーフティーカーが導入された。SC解除前の53周目にピットレーンがオープンになったが、54周目に誤ってドライブスルーペナルティーを消化してしまう。これに対してさらにペナルティーが課され、再度ドライブスルーペナルティーを受けてしまった。

55周目にSCが解除され、福住は13番手までポジションダウン。その後、14号車がストレートエンドで止まってしまい、フルコースイエロー(FCY)が導入される。翌周には解除され、この時点で福住は11番手を走行。しかし、ドライブスルーペナルティーのピットロード出口で信号を見落としてしまったため、ピットストップペナルティを受けてしまう。しかし、前車にトラブルが生じ、76周目にはポイント圏内の10番手までポジションアップ。そのままチェッカーを受け、困難なレースではあったが、貴重なポイントを獲得した。


鈴木亜久里監督のコメント

「作業違反でペナルティーを受けてしまって、ズルズルと負のスパイラルに飲み込まれてしまった。速さがあっただけに悔しいね。でも、こんな状況でポイントを獲れたので、まだ運が残っていると思うので、残り3戦全勝するつもりで頑張ります」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「悔しいの一言です。最初のスティントは野尻選手が燃費もキープしながらあの速さで走ってくれて、2番手との差も大きかったので、余裕を持たせて作業をさせるべきでした。この失敗は次に生かしたいです」

野尻智紀選手のコメント

「レースとしては恥ずかしいし、情けない気持ちですし、応援して下さってくれた人たちに申し訳ない気持ちです。チームを引っ張っていく立場として、もっと真っ直ぐに取り組める姿勢を保てなかった責任を感じています。あそこでボクがもう一言言えれば変わっていたのかも知れないし、ボクにもっと出来る事があったと思うと悔しいです。また次に向けて精一杯頑張ります」

福住仁嶺選手のコメント

「野尻さんがあれだけマージンを作ってくれましたし、車の速さもあったので悔しい気持ちです。しかし、こんな状況でもポイントが獲れたので、残りのレースも全力で戦っていきたいです」

高木が猛追して、佐藤蓮が引き継ぎ2位表彰台

スタートは隊列が整わず、3周のフォーメーションラップ後にスタートが切られた。

最初のスティントは高木真一が担当。高木は1周目を終えた時点で順位をひとつあげてきた。2周目には更に1台抜き、3番手までポジションアップに成功。車のバランスは良さそうだ。2番手は同じNSX GT3の18号車だ。タイヤは違うが、パフォーマンスレベルは同じくらいで、なかなか抜くに至らない。

気温が高いせいか、7周目あたりからグリップが落ち始めてきたが、高木はタイヤを労りながら走行を続けた。2番手を走行する18号車もタイヤがキツいのか、高木は20周目のメインストレートで2番手に浮上する。トップとの差は6秒弱だ。高木はトップの61号車より速いラップタイムで徐々に差を縮めて行く。

ここで35周目にルーティンのピットインを行い、佐藤蓮にバトンを渡した。佐藤は13番手でコースに復帰。44周目に500クラスの車両が最終コーナーで止まってしまい、セーフティーカーが導入される。この時点で6番手までポジションアップ。

51周目にリスタートするが、佐藤は53周目のストレートで61号車に追突してしまう。これは黒白旗提示のみに留まった。

更に59周目に500クラスの車両がストレートエンドで止まってしまい、FCYが導入される。この時点で2番手までポジションを上げる。その後も佐藤は速いタイムでトップを猛追したが、そのままチェッカーを受け、今季2度目の表彰台を獲得した。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「前回は蓮が15台抜きで素晴らしいところを見せてくれましたが、今回は真一が職人技を見せてくれましたね。前半の展開は素晴らしい。もちろん蓮も頑張ってあの結果なので、次こそは優勝したいですね」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「今回は走り出しからパフォーマンスが高かったので、何とか結果につなげたかったです。ウォームアップでも良い感触があったので、5番手スタートからでも優勝も狙えるのでは無いかと思って取り組んでいましたが、そんなに甘くは無かったですね。残り3戦は全て表彰台を狙って行きます」

高木真一選手のコメント

「持ち込みから良かった。ウォームアップも調子良かった。タイヤ選択という意味では非常に難しいところもありましたが、ボク達のブリヂストンのソフトタイヤは落ち込みもなくて同じペースで走り続けられたのが良かったと思います。後半は硬めのタイヤで蓮に行ってもらいましたが、パフォーマンスを発揮するのが難しくて蓮は苦労したと思いますが、スバルが速かったというのもありましたけど、もしかしたらもうちょっと何か出来たかも知れないので、検証して次に向けて準備したいです」

佐藤蓮選手のコメント

「前半は高木さんがどんどん順位を上げてくれて、2番手でつないでくれました。後半のタイヤはガソリンが重い状態でコントロールが難しかったので、ちょっと苦労しました。ペースを回復するまでにトップと差をつけられてしまったので、それが勝てなかった理由かも知れません。そういったところを次以降に分析して優勝に向けて頑張っていきたいです」

Round.5 / 2021