レポート Report

2番手フロントロー獲得も、予選の強みを決勝になんとしてもつなげたい

ランキングトップとの差は19点。逆転は非常に難しくなってきたが、まだ可能性は残されている。今季はまだ優勝が無いので、どうしても1勝が欲しい。

フリー走行は4番手で終えたが、各車のタイム差は僅差で予選の接戦は容易に予想出来た。ちょっとしたミスで下位に落ちる可能性が十分にあった。しかし、ドライバーからは車は今までに無いドライバビリティの良さだという。

Q1は野尻智紀がアタック。フリー走行と同じ4番手のタイムを叩き出し、Q2の福住仁嶺につないだ。福住はゆっくりタイヤを暖めながらアタックを開始。他車は既にタイムを出しており、タイミングモニターの一番下は福住だった。

福住はセクター1、2と自己ベストを更新しながら最後のセクターに入っていった。最後までミスなく走り、2番手のタイムを叩き出した。3戦連続ポール獲得とはならなかったが、この難しい予選でフロントローを確保することに成功した。

車のバランスは今までで一番良さそうなので、明日の決勝に期待したい。


鈴木亜久里監督のコメント

「だいぶ車の限界が上がったみたいで、ドライバーのコメントも非常に明るいね。今までに無い良い雰囲気だけど、気を抜かずに明日のレースで良い結果を出せるように集中します」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「精一杯出来たと思います。まずは64号車におめでとうと言いたいですね。あのタイムは見えなかったですね。我々のターゲットはブリヂストン勢のトップなのでそれは出来たと思います。本音はポールポジションを獲りたかったですが、予選はレース向けのセットアップで走ったので良く出来たと思っています。明日に向けて微調整してしっかり作戦を立てて優勝したいです」

野尻智紀選手のコメント

「走り出しから車のバランスは良くて、今年の中で一番限界が高いというか、ドライバーが思いっ切り走っても応えてくれる車に仕上がっていました。専有走行から予選に向けて微調整のみで走ったのですが、それも良い方向に出たので、ドライバーとしても、チームとしてもこの車の理解度が深まっていると感じました。ポジションとかそういった事以外に手応えを感じています。この手応えは明日にも生きると思いますので、良い結果につなげたいと思います。予選は仁嶺が良い走りをしてくれたので、フロントローを確保出来ました。良いポジションからスタート出来るので、ミスなく走りきりたいですね」

福住仁嶺選手のコメント

「第7戦はウェイトも半減され、周りの車も速くなるだろうと予想していました。タイムの差は僅差だったので難しい予選になると思っていました。Q1は野尻さんが行ってくれたのですが、本当にQ1は難しい予選になると思いましたが、そんな状況で野尻さんは4番手できっちりQ2進出を決めてくれました。Q2は今までの中でも無難に出来て、何とかフロントローを確保出来ました。大事なのは決勝ですが、予選は常に上位に来ているのでそれはチームの強みだと思いますので、それをキッチリ決勝につなげられるように頑張りたいです」

高木の代理の松下が見事なコントロールで決勝12番手から

先週、岡山国際サーキットで行われたスーパー耐久に出場していた高木真一は、レース中にクラッシュしてしまい負傷してしまった。そのためチームは、ヨーロッパ帰りの松下信治を急遽起用することになった。松下はARTAが長年サポートしているドライバーだ。

松下のレース歴は20年以上あるものの、ツーリングカーを運転するのはこれが初めてだ。しかし、松下は初めての車を見事にコントロールし、今朝のフリー走行でルーキーテストをクリアしてレース出場が確定した。

チームはセットアップを進めつつ、松下の慣熟走行とセットアップを進めた。Q1は大湯都史樹にステアリングを委ねた。今回の予選もA組、B組に分かれ、ARTAはB組での出走だ。第7戦はウェイトハンディが半減されるものの、まだ57kgのウェイトを積んでいる。そんな状況でも大湯は6番手のタイムを叩き出し、Q2の松下につないだ。

松下は今朝初めて運転したばかりの車を見事にコントロールし、12番手のタイムを記録した。チームは高木の一日も早い回復を祈りつつ、明日の決勝は戦略で上位に進出出来るように今から準備を進めている。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「松下は初めてのツーリングカーでこのタイムを出せたのは素晴らしいね。松下は決勝で徐々に慣れてくると思うので、明日のレースが楽しみだね」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「午前はバランスも良く、そんなに悪い印象はありませんでした。予選の大湯はベストの結果を出してくれたと思います。そして今回ツーリングカーが初めての松下は大湯の0.5秒落ちで走ってくれて、初めてにしては素晴らしいパフォーマンスだったと思います。スタートのポジションは12番手ですが、レースは挽回出来るように戦略を考えます」

大湯都史樹選手のコメント

「車は部分的に問題があったものの持ち込みのセットは非常に良く、良い状態で予選を迎えられましたが、ウェイトが重かったというのと、ブリヂストン勢にとっては難しい予選だったと思います。決勝に向けては自信がありますし、ボクも松下さんもパフォーマンスが高く走れたと思うので、良い結果を出せるように明日に向けて準備したいと思います」

松下信治選手のコメント

「あまり考えずに自分のドライブをしようと思っていました。まだ詰めないといけない部分は沢山あるんですけど、周りの評価は別として、ミスもしなかったので自分としては合格だったと思います。明日は手堅く行きつつ、チームのチャンピオンシップも考えアグレッシブに行きたいです」

やっと掴めた今季初優勝!最終戦もこの勢いに乗ってチャンピオンを目指したい

スタートドライバーは野尻智紀。無難にスタートを切り、2番手をキープ。序盤は徐々に離されていくが、タイヤが暖まり始めた7周目からトップと徐々に差が縮まり、10周目の1コーナーでトップに立つ。野尻のペースは良く、2番手以下を徐々に離していく。20周目までには2番手と10秒のギャップを築き独走状態。

22周目からルーティンのピットインを開始するチームが出始めた。ここで300クラスの車両がトラブルによりコース脇に車を止めてしまい、セーフティーカーが導入される。ARTA NSX-GTはセーフティーカーが導入される前の23周目にルーティンのピットインを済ませていて更に有利な状況になった。

28周目にリスタートが切られ、ピットインを行っていなかった多くのチームはここでルーティンのピットインを行った。福住仁嶺は29周目に暫定で3番手を走行。30周目にはトップに返り咲く。ペースは良く、2番手以降との差を徐々に広げる。その後は危なげない走りで2番手に46秒の大差をつけて今季初優勝を飾った。そしてルーキーである福住は500クラス初優勝となった。

第5戦から連続表彰台でランキングもあがりチャンピオンの可能性が出てきた。最終戦はチャンピオンを狙って戦っていきたい。


鈴木亜久里監督のコメント

「こんないい車を与えられていて、ここまで勝てなかったのは申し訳ないですね。しかし、オートバックスの小林社長、ホンダの八郷社長の前で勝てたのは嬉しいし、何よりお客さんがサーキットに来てくれている目の前で勝てたのがとても嬉しいね。これでチャンピオンの可能性が出てきたけど、最後も満足行く走りが出来るように準備していきたいね」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「とても嬉しい。この勢いで富士に行きたいです。トップと3ポイントしか差がないので、獲りに行きたいですね。車はシーズン序盤より良くなっているし、ドライバー2人のドライビングも素晴らしいし、ピットワーク、エンジニアサイドも徐々に成長、結束していると思うので、富士でチャンピオンを獲りたいですね」

野尻智紀選手のコメント

「今シーズンは辛いレースが続いていましたが、そんな時でもチームは支えてくれていましたし、いい走りをして恩返しをしたかったので、勝てて本当に良かったです。最終戦もこの勢いのまま皆んなと戦っていきたいと思います。応援ありがとうございました」

福住仁嶺選手のコメント

「今までのレースで後ろとのギャップも十分にあってリードしていても、ルーティンのピットインの後は気がついたら前に誰かいるというような事があったり、アウトラップのスピードが遅いとか色々あったので、チェッカーを受けるまで不安な気持ちを拭い去る事は出来ませんでした。ピットインのタイミングは非常に良かったんですけど、トップに立って単独で走っていても、何が起きるか分からないという不安な気持ちの方が強くて、色々考えているうちに最終ラップが来て勝つ事が出来ました。今までなかなか勝てなかったので、今回勝てて嬉しい気持ちとホッとした気持ちがありました。ここまで良い車に仕上げてくれたチームに感謝したいです。残り1戦ですが、この雰囲気を維持して勝ちたいです」

SC導入が順位を分けたが内容の濃いレースで次戦に期待

スタートは大湯都史樹。予選12番手から初めてのスタートを担当したが、1周目は順位を2つ上げて戻ってきた。スタート前の大湯はタイヤが暖まるまで順位を落としてしまうかも知れないとコメントしていたがペースは良く、4周目までに7番手に順位を上げる。9周目には6番手、19周目には5番手まで順位を上げた。

20周目に他車がコース脇に車を止めていてセーフティーカーが入る可能性があったので大湯はここでピットインを要求したが、ここで入ると燃費の問題が出てしまうことと、ピットが混雑していたためもう1周走ることになった。しかし、ここで大湯の予想があたり、セーフティーカーが導入されてしまう。この時点で大湯は4番手。リスタート直後にルーティンのピットインを行い、タイヤは左側の2輪のみ交換を行った。

後半の松下信治は29周目には8番手までポジションアップ。松下は前半の大湯とほぼ同じペースで周回を重ねる。途中10番手まで順位を落としてしまうが、すぐに挽回。40周目は8番手で周回を重ねる。松下は安定したペースで走り、最後にひとつポジションを落としてしまうが、9番手でポイントを獲得し大湯とチームのチャンピオンの可能性を残した。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「大湯はもう1周早く入れたかったんだけど、燃費の問題があったからね。残念だけど仕方ない。富士はウェイトが無くなるし、NSXも得意なコースだから勝ちに行きたいね」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「セーフティーカー前に入りたかったのですが、燃費の問題や8号車がピットに入っていたという事もあり1周遅らせました。もしあのタイミングで入ったとしても後半は燃費走行をすれば良い順位を得られたと思いますが、8号車は優勝がかかっていたので、1周遅らせることにしたらセーフティーカーが入ってしまいました。車のパフォーマンスもそれほど悪くなかったですし、ドライバーもチームもミスなく戦えたのでそれは良かったと思います」

大湯都史樹選手のコメント

「前にいた4号車は早めにピットインして2位だったので、ピットインのタイミングが重要なレースでした。しかし、ボク達は燃費の問題もあって、あのタイミングで入れなかったので、走りで何とか挽回出来るように頑張りました。松下さんも素晴らしい走りで、チームクルーもミスなく最後までやり遂げる事が出来たので、1年を通してチームが成長出来ていてそこはすごく良かったと思います。自分としても第1スティントで追い上げ出来て本当に良かったと思うので、次のレースこそ優勝してシリーズチャンピオンを獲りたいです」

松下信治選手のコメント

「レースはセーフティーカーでちょっと損をしているところがあると思うんですけど、自分としてはぶつからずにポイントが獲れて最低限の仕事は出来たんじゃないかと思っています。まだ300の車を上手く走らせられてなくてもどかしかったので、そこは成長して次のレースでもう少しタイムも上げられると思うので、もっと良い成績が残せるようにしたいです」

Round.7 / 2020