レポート Report

今季2度目のPP獲得、明日に向けて入念な準備

第7戦は今まで積んでいたウェイトハンディが半分になり、ARTA NSX-GTは49kgのウェイトを積んで戦うことになる。午前のセッションはなかなか思うようなタイムが出せず、ドライバーもセッティングに悩んでいたが、徐々に気温が上がるに連れ、最終的には伊沢がトップタイムをマークすることに成功した。

そのままの流れで伊沢拓也がQ1を走行する事になった。午前よりも更に気温は上がりコンディションの変化に車が合うかどうか心配されたが、伊沢は見事なアタックで2番手のタイムをマーク。Q2進出を決めた。

Q2を走る野尻智紀はいつもより緊張している様子だ。Q2開始後、少し遅めにコースインし、前後の車両との間隔をピットに確認しながらタイヤに熱を入れた。前後の間隔が十分に取れたところで野尻はタイムアタックに入った。良いタイムを出すには1周のタイヤマネジメントが難しく、野尻はセクター毎のタイヤの使い方に集中した。1周を上手く走りきった野尻は2番手に約0.5秒の大差をつけて今季2度目のポールポジションを獲得した。


鈴木亜久里監督のコメント

「伊沢も野尻もカッコ良かったね。素晴らしい、の一言。しかし、大事なのは明日なので、明日良い結果を出せるように仕事を進めたいね」

星学文エンジニアのコメント

「午前のセッションは持ち込みのセットの確認から始めました。予選のコンディションとは違いましたが、大きく悪い印象は受けませんでしたが、ユーズドタイヤではバランスがあまり良くないところがありました。しかし、予選向けのセットを決めて二人に託しました。二人ともミスなく走ってくれて何とかポールを決めることが出来ました。大切なのは明日なので、戦略とセットを確認して準備したいです」

野尻智紀選手のコメント

「午前のセッションではニュータイヤで満足いくアタックできる環境ではありませんでした。しかし、伊沢選手がフリーもQ1も良いタイムを出してくれて、車を良い方向にアジャストしてくれました。凄く緊張していましたが、ボクがアタックする時は良い状態でアタックする事が出来ましたし、自分でも良いアタックが出来たと思っています。ここは速いだけでは勝てないサーキットなので、しっかりと準備をして良い結果が出せるように頑張ります」

伊沢拓也選手のコメント

「午前の最初は調子が良くないところから始まって、徐々に良くなって、それを野尻選手につなげる事が出来ました。自分としては最低限の仕事が出来たと思っています。最後のQ2のアタックはボクも驚きましたが、野尻選手はいつも驚くようなパフォーマンスを発揮してくれるので、それを信じて待っていました。明日は難しいレースになると思いますが、このチャンスをしっかりと活かしていいレースをしたいと思います」

不運の赤旗でタイム出せず、明日は後方から追い上げる

シリーズランキングをトップで迎えた第7戦だが、2番手との差はわずか7ポイント。強敵なライバル相手にトップであるアドバンテージは皆無に等しい。ここでポイントを重ね、有利な状態で最終戦に挑みたい。

52kgのウェイトハンディを積んでいるARTA BMW M6 GT3は午前のセッションを5番手で終え、良いフィーリングを得たまま予選を迎えた。

Q1はショーン・ウォーキンショーがアタック。いつもより少し遅めにコースインしたショーンはタイヤを十分に暖めてからアタックラップに入った。セクタータイムは良好でQ1突破の手応えを感じていたが、ショーンが最終コーナーに差し掛かる直前に他車がスピンをしてしまい、コース上にストップしてしまった。これでレッドフラッグが出され、ショーンはアタックラップを計測する事が出来なかった。

セッション再開後、ショーンは再度アタックに入ったが、一度熱が入ったタイヤで十分なパフォーマンスを発揮する事が出来ず、Q1突破はならなかった。

明日は後方からのスタートとなるが、ポイント獲得を目指しチャンピオンシップを有利に進めたい。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「レッドフラッグが出てしまい、運が悪かったね。ショーンをコースに出すのを少し遅らせたのは失敗だった。早めにコースへ送り出して早めにタイムを出させておくべきだった。明日はポイントを獲得出来るように今からセッティングや戦略のミーティングをしっかりやって準備するよ」

安藤博之エンジニアのコメント

「午前のセッションは最終的に5番手で終える事が出来ました。バランスは良かったので、予選に向けて車のセットをアジャストしていきました。Q1はレッドフラッグが入ってしまった事も影響がありましたが、思うようにタイムが伸びなかったので原因を究明しなくてはなりません」

高木真一選手のコメント

「レッドフラッグでタイヤが終わってしまい、ちょっとタイミングが悪かったかな、と思います。明日は後方からですが、追い上げるしかないので、チームとミーティングして上位でゴールできるように準備したいです」

ショーン・ウォーキンショー選手のコメント

「レッドフラッグが出てしまってアンラッキーでした。明日はとてもハードなレースになると思いますが、車のセットを見直し、ポイント獲得を目指して準備していきたいです」

ピックアップに苦しみ不運も重なりノーポイント

見事な秋晴れでスタートが切られた第7戦だが、ARTA NSX-GTは昨日とは打って変わって厳しいレース結果となってしまった。

スタートは伊沢拓也。ミスなくスタートを切ってトップを10周過ぎまで快走する伊沢だったが、6周を過ぎたあたりからなかなかペースが上がりづらくなってきた。ピックアップの症状が早くも8周目あたりから出始めてしまい、ペースを保つのが厳しかった。

それでも伊沢は見事なコントロールで1番手を走っていたが、12周目の1コーナーで他車に抜かれてしまう。しかし、19周目に他車がコース上で止まってしまい、19周目にセーフティーカーが導入された。これでトップとの差は縮まり、挽回のチャンスが巡ってきた。セーフティーカー運用中に伊沢は無線でチームと後半の昨年を練りながら、リスタートを待った。

このままではペースもあげられないので、早めに野尻智紀に交代する事になった。26周目にルーティンのピットインを行い、野尻にバトンタッチ。野尻は9番手でコースに復帰したが、順位を争っていた車両に前に行かれてしまった。

他の車両もルーティンのピットインを始めたので、野尻は34周目には6番手まで順位を戻した。そのまま良いペースで周回していたが、47周目のヘアピンで後方から追突されてしまう。これでポイント圏外の11番手まで順位を落としてしまう。また、この追突の影響で車両のバランスが狂い、上手くコントロール出来ないまま、最終的には12番手でチェッカーを受けた。ポールポジションから、ノーポイントという残念な結果になってしまったが、最終戦で有終の美を飾るために準備を進めていきたい。


鈴木亜久里監督のコメント

「なかなか簡単には勝たせてもらえないね。ポールポジションからまさかこんな結果になるとは思わなかったし、非常に悔しいけど、最終戦に気持ちを切り替えて良い結果で今シーズンを終えられるように準備をしていきたいね」

星学文エンジニアのコメント

「ウォームアップ走行の感じからするともう少し良い結果を出せると思っていましたが、決勝で大きくバランスが変わってしまいました。どちらのスティントもなかなかペースをあげられなかったので、帰ってからきちんと分析して最終戦に向けて準備をしていきたいですね」

野尻智紀選手のコメント

「難しいレースでした。今言えることは、ペースが上がらなかった原因を分析して最終戦に繋げなくてはいけないと思っています。長いスティントを走ってタイヤや車を持たせたかったのですが、それが今回出来なかったので最終戦で挽回出来るように頑張りたいです」

伊沢拓也選手のコメント

「昨日あれだけ速かった車を勝利に導けなかったのは凄く残念です。まだチャンピオンシップの可能性がゼロになった訳ではないので、絶対に諦めずに最終戦は勝つことだけ考えて望みたいと思います」

作戦当たり、後方から追い上げ4位入賞

予選結果が悪かったので、何とか決勝で順位を上げられるようにチームは作戦を練って決勝に挑んだ。スタートドライバーは高木真一。高木が出来る限り前半を長く走り、後半スパートをかける作戦だった。

高木はスタートで3つポジションを上げ、14周目には15番手までポジションを上げる事に成功した。車のバランスは良さそうだ。23周目にセーフティーカーが入り、前との差がさらに縮まった。リスタート後は他車のルーティンのピットインもあり、35周目までに3番手にポジションを上げた。

40周目にルーティンのピットインを行い、ショーン・ウォーキンショーに交代。ショーンはアウトラップで他車に接触されてしまう。一瞬、ペナルティを受けてしまうように見えたが、レーシングアクシデントと判定され、事なきを得た。その後、ショーンは徐々にペースアップ。52周目には6番手まで順位を上げた。さらに前車の脱落もあり、最終的には4位でチェッカーを受ける事に成功した。

この結果により、ランキング2番手のチームに12ポイントの差を付けて最終戦に挑む事になった。油断をせずに最終戦でも勝利を目指して戦っていきたい。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「チーム、ドライバー全員が諦めずに最後まで戦い抜いた結果だね。昨日の結果からは考えられない結果だけど、本当にみんなが頑張ってくれた結果だと思う。最終戦も気を引き締めていきたいね」

安藤博之エンジニアのコメント

「予選は車とタイヤが合ってなかったようで、22番手という悪い結果になってしまいました。今日は作戦が重要かと思い、高木さんで長く走ってペースを作ってもらい、その後にショーンで走り切るという作戦を取りました。セットを見直してウォームアップを走り、ペースも良かったです。その後、レースに向けてグリッドでアジャストしたところ、ユーズドでも他車のニュータイヤと同じくらいのペースで走る事が出来ました。何とかポイントを獲る事が出来てホッとしました」

高木真一選手のコメント

「このM6は去年からバランスは良かったんですけど、気温の差とか暖かいコンディションのバランスが全然わからなかったので、昨年のセットに似たようなものにして、タイヤを信じて走って、作戦も見事にハマりこのような結果になりました。ボクのスティントを長めにして、クリアラップも10周くらい取れたのが良かったのと、タイヤも見事なパフォーマンスを発揮してくれましたし、ショーンもミスなく速いペースで走りきってくれたのも良かったと思います。最終戦は気を引き締めて戦っていきたいですね」

ショーン・ウォーキンショー選手のコメント

「22番手から4位を得られた素晴らしいレースでした。車のバランスは非常に良くて、ペース良く走る事が出来ましたが、最初のラップで他車と接触してしまい、バイブレーションが出てしまいました。しかし、その後は問題なく、ラップタイムは悪くなかったので順位を上げられたと思います」