ギャラリー Gallery

ARTAの熱き戦いの瞬間や魅力を、オフィシャルフォトグラファー宮田正和氏が撮影した膨大な写真から、宮田氏自らが厳選した写真でお届けするオンラインギャラリーです。

その中から、まず最初に「匠の一枚」と題した究極の一枚をディティールと共にお楽しみください。

フォトグラファープロフィール

匠の一枚

「栄冠を目指して」 〜 Aiming for the champion 〜

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「1秒も遅いんですよ・・・」予選を終えマシンから降りると福住仁嶺は呟やいた。

それは心の声だったのかもしれない。その「1秒」はチームメイトの高木真一とのタイム差であった。1/1000秒を争うレースでは1秒はとてつもなく長い時間だ。もちろんコンディションやタイミングなど条件によって変わるが、それでも見方によってはドライバーの力量の差とも言えなくはない。福住にとってその「1秒」は乗り越えなくてはならない壁であり、その瞬間の彼にはまるで断崖絶壁のように思えたのかもしれない。

その高木真一はいつもの調子でニコニコしながら「そんなことないよ」と軽くいなす。

F1ドライバーを目指しレースの世界に足を踏み入れた彼の軌跡は、時代や背景は異なるが今まさに福住が歩んでいる道そのものでもある。現代のようにドライバー育成プログラムもなかった時代、レーシングドライバーになるには自分自身でその道を開拓するしかなかった。

子供の頃から憧れていたF1レーサーを目指し、彼はレースをするためにホンダに入社した。ホンダに入ればレースの世界に近づける。そう思っていたのだが、現実は想像とは異なり、仕事漬けの日々が続いていた。「いつかレーサーになる」その想いだけで仕事を続け休日は全てレースのために費やしていた。

夢だけで必死に這い上がってきた高木とカート時代からエリートコースを歩んできた福住。近くで二人を撮影している僕には彼らのコントラストの違いが面白く、かつ不思議でもあった。

49歳と22歳。親子ほどのその年齢差はヘルメットを被り、グローブを装着しコックピットに収まった瞬間にゼロになる。そしてその経験値の差だけが現れる。若さだけでは太刀打ちできないこともある。

今シーズン、タイトルを目指すARTAにとって若さと経験値という武器は揃っている。

残された2レースも最強のコンビで戦い抜いて栄冠を勝ち取ってほしい。

Details

BODY Canon EOS 5DMk4
LENS SIGMA 60-600mm/DG OS HSM SPORTS
SP 1/10
F 29

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