オフィシャルフォトグラファー 宮田正和氏が厳選した究極の一枚。「Expression」と題した写真と、テキストをお楽しみください。
レースは一人(一台)の勝者とそれ以外の敗者だけが存在する。
しかし時として優勝争いに届かなくても、熱く素晴らしいレースを見ることができる。
シーズンオフのテストから雨に祟られているSGT。
開幕戦の岡山も予選日こそ晴れたものの、決勝日は雨。
12番グリッドからスタートした野尻智紀はウエットコンディションを辛抱強く走り、
後半の松下信治にステアリングを託す。
ウエットからドライに変化する難しいコンディションだが、
松下は巧みにドライビングを続け、見事5位でフィニッシュを遂げた。
(ペナルティを受け正式結果は7位)
途中、交代した野尻がモニターを見ながらオーバーテイクのシーンになると、
「いけっ!」「堪えろ!」と叫びながら感情も露わに一喜一憂する。
この場面だけを切り取ると、まるで優勝争いをしているような感覚に陥った。
チェッカーフラッグ! エンジニア、クルー、ドライバーが笑顔で握手を交わす。
レース後、野尻と握手を交わす松下の表情からも戦い抜いたという満足感が感じられた。
それほどチームにとっては手応えのあったレースであり、
頂点を目指す彼らにとって、大きな一歩だったからだ。
BODY | CANON EOSR3 |
LENS | CANON RF 28-70mm/F2.0 |
SP | 1/400 |
F | 2.0 |
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