レポート Report

Q2はトラブルが出て7位だったが明日は長距離なのでじっくりと攻めていきたい

開幕戦は荒れた展開の中、ペナルティも受けながら表彰台を獲得した#8 ARTA MUGEN NSX-GTは得意の富士スピードウェイに乗り込んだ。今朝のフリー走行は6番手で決して良い順位とは言えないが、決勝を見据えた硬めのタイヤでの走行だったので、そう考えると悪く無い内容でセッションを終える事が出来た。

チームはQ1に大湯都史樹選手を送り出した。大湯選手は3周タイヤのウォームアップを行い、4周目にアタックに入って行った。5周目にベストタイムを叩き出し、2番手でQ1突破。予選では中盤より上の順位を目指していたが、サクセスウェイトを積んでいる状態での2番手は満足の行く結果だ。予想外の順位でQ2に期待がかかる。

続くQ2は野尻智紀選手にステアリングを託した。Q1の時より気温が下がっていたが、車のセットは変更せずに野尻選手はアタックに入って行った。しかし、高速コーナー走行中に車両トラブルが出てしまい、タイムが伸びず7番手でQ2を終えた。トラブルの原因は究明中だが、450kmのレースを考えると悪く無いポジションだ。


鈴木亜久里監督のコメント

「Q1が良かっただけに悔しい結果になっちゃったね。でも、タイムが出なかったのはトラブルによるものだったから、明日は希望が持てると思う。トラブルが再発しないようにしっかり準備をしていきたいね」


土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント

「ウェイトを積んでいる割には2番手のタイムを出してくれたので、やったと思いましたが、Q2はタイムが伸び悩んでしまったね。トラブルがあったので、それが出ないようにしっかり準備して、表彰台は狙いたいね」


田中洋克チームディレクターのコメント

「我々(M-TEC)としてブリヂストンタイヤは初めてのシーズンだったので、タイヤを上手く使い切れるかという不安がありました。しかし、Q1で2番手のタイムを叩き出したので、良かったと思っていたら、Q2は甘くなかったですね。トラブルが出てしまったので、原因を確認しなければならないと思っています。そのようなトラブルがどのくらいタイムに影響したかは分かりませんが、もう少しタイムを伸ばせたと思っています。ポジション的には悪く無いと思っています」


野尻智紀選手のコメント

「ボク達はウェイトを積んでいる中でQ1を良いカタチで通過出来て、明日につながる順位になれそうだという手応えを大湯選手の走りを見て感じていました。ボクのアタックの時に小さなトラブルがあって、詰め切れなかった部分があり、それは悔いが残るところです。それがなければ2列目まで行ける手応えはありましたが、そんな中でももう少し自分で出来る事もあったんじゃないかと思うので、悔しさが残ります。明日は長いレースなので、チームの皆で戦っていきたいと思います」


大湯都史樹選手のコメント

「Q1を担当して個人的にはこれ以上ないくらいの良いラップを刻めました。ウェイトも積んでいたので、2番手のタイムを出せたのは満足感のある予選でした。Q2はちょっとコンディションが変わってしまい、野尻さんは大変だったと思います。Q2に向けてアジャスト出来るところもあったと思いますが、現状ではチームの力をしっかりと出せたと思っています。まだまだ課題はありますが、Q1では16号車と二台でワンツーを監督たちに見せられましたし、全体的には悪く無い予選だったと思います。明日はこの位置からですけど、表彰台を目指す勢いでしっかり結果を 残せるレースにしたいです」

前回のペナルティを払拭するような見事な予選 明日は3位からトップを目指す

開幕戦はペナルティによりポイント獲得はならなかったが、難しいコンディションの中、善戦したレースと言えるだろう。#16 ARTA MUGEN NSX-GTも、ここ富士は得意とするコースだ。3月の富士の公式テストでは、殆どドライコンディションで走れていないので、今朝のフリー走行がドライでまともに走れたセッションとなった。それでも3番手のタイムを記録し、予選に期待がかかった。

サクセスウェイトを積んでいない16号車だったが、決勝では硬めのタイヤでスタートすることを決めていたので、予選の順位はあまり期待していなかったが、Q1でアタックした大津弘樹選手は1位のタイムを記録して戻ってきた。

Q2は気温が下がったものの、車のセットは変更せずに福住仁嶺選手はアタックへ入っていった。

順調なアタックに見えたが、チームメイトの8号車とは違う症状のトラブルが出てしまい、納得のいくアタックは出来なかったものの、3番手のタイムを記録する事が出来た。

好位置からスタート出来るものの、明日は長距離レースなので、トラブルに巻き込まれず、頂点を目指して戦っていきたい。


鈴木亜久里監督のコメント

「大津は見事なアタックを見せてくれたね。Q2はトラブルが出てしまったけど、それでも仁嶺は3番手のタイムを出して戻ってきてくれた。期待が持てるよね。でもトラブルの原因をしっかり対策して、しっかりと結果を出したいね」


土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント

「大津のQ1でのトップタイムは凄かったね。Q2はトラブルがあって仁嶺には悪いことをしちゃったけど、3番手なんでトップを狙える位置だから、油断せずにガンガン行きたいね」


田中洋克チームディレクターのコメント

「タイヤの使い方に少し不安がありましたが、Q1では大津選手がトップタイムを出してくれたので、自分たちが考える方向性は悪く無かったと思っています。Q2はトラブルが出てしまいましたが、それを踏まえてももう少しタイムが出ると思っていました。しっかり解析して明日に向けて準備をします。明日は期待していて下さい」


福住仁嶺選手のコメント

「大津選手がQ1でトップタイムを出してきてくれたので、プレッシャーのかかる予選でした。しかし、走り出してすぐにポテンシャルの高いセットになっていると感じたので、タイムを出す自信はありました。自分自身のミスもあり、ポールを獲る事が出来ずに非常に悔しい思いですが、明日は勝てるポジションでありますし、長いレースで何があるか分かりませんが、しっかりと戦って結果を出します」


大津弘樹選手のコメント

「フリーから予選にかけて改善したセットがとても良かったですし、タイヤもピークグリップがしっかりしていたので、手応えを感じながらアタック出来て、Q1でトップタイムを出せました。自分は他チームから移籍してきて、初めての予選でしっかりと結果を出せたのは自信になりました。Q2は気温も下がってきたというのもありますが、決勝を見据えてハードタイヤを履いているので、難しかったところもあったと思いますが、それでも仁嶺は3番手のタイムを出してくれたので、十分戦える位置にいるので、明日は勝ちに行きたいです」

結果はガス欠だが、中身の濃いレースができた

予選、決勝ともにレース観戦日和となった富士スピードウェイ。決勝レースは450kmの長距離レース。昨日、入念な作戦を練った#8 ARTA MUGEN NSX-GTは、ウォームアップ走行は3番手のタイムを記録。7番手からの追い上げが期待された。

スタートドライバーは野尻智紀選手。1コーナーでは、前車がオーバースピードでコースアウトしてしまった為、5番手に浮上。野尻は順位をキープしたまま周回を重ね、22周目にタイヤ交換の為にピットイン。他のチームより先行してのピットインを行ったドライバー交代はせずに15番手でコースへ復帰。

他の車両も徐々に1回目のピットインが始まったが、実質2 番手を走っていた車を32周目に抜き、9番手に浮上。40周目には全車が1回目のピットインを行い野尻選手は2番手に浮上。順調に周回を重ね、61周目に2回目のピットイン。

大湯都史樹選手に交代。10番手でコースに復帰。77周目には2回目のピットインが終わり、4番手を走行。94周目に3番手を走行していた車にトラブルが出て、3番手浮上。4番手を走行している車が背後に迫ってきていて何とか抑えていたが、98周目にスローダウン。ガス欠により11位でレースを終える事になった。しかしながら、表彰台を狙えるポテンシャルは十分あるので、次戦に期待したい。


鈴木亜久里監督のコメント

「最後のスティントはタイヤとのマッチングが悪かったね。ガスは、計算上では十分足りていたんだけど結果的に足りなくなってしまって、3位表彰台をほぼ手中に収めていたので、ドライバーには申し訳ないことをしてしまった。しかし、速さはあるので次回頑張ります」


土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント

「8号車は最後のスティントがあまり速くなかったので、それは課題だね。でも大湯はそんな状態でもよく頑張った。ガス欠についてはしっかりと見直さないとね。次回は頑張ります」


田中洋克チームディレクターのコメント

「良いペースで走れていたのですが、最後のスティントで選んだタイヤが合っていませんでした。同じタイヤを履いていた16は良いペースで走れていたので、なぜペースが上がらなかったのか原因を調べたいと思います。ガス欠については、十分走りきれる量を入れてあったのですが、実際には足りていなかったので、そうなってしまった原因を調べなくてはなりません」


野尻智紀選手のコメント

「結果としては残念ではありますが、こういったものを自分達で乗り越えていかなくてはいけないし、こうしておけばよかったという事が出てくると思いますが、そういったものを改善していけるのがこのチームの強みなので、また自分達にそれぞれ課題を持って鈴鹿に向かえば必ず良い結果が得られると思います。今日の結果だけ切り取ると非常に残念な結果ではありますが、僕らはもう前を向いているので、ファンの皆さまに支えてもらいながら戦って行きたいと思います」


大湯都史樹選手のコメント

「野尻さんが途中まで良いペースで走り順位も2番手まで上げてくれました。そこから色々な作戦の兼ね合いもあり、ボクがピットアウトした時は3番手でした。その時は柔らか目のタイヤを履きましたが、そのタイヤがこのコンディションに合っていませんでした。ペースをなかなか上げらかったのですが、何とか上手く使って、タイヤ持たせるというより、ペースを維持する事に集中しました。結果的に苦しい展開でしたが、それでも後ろを押さえるレースが出来ていたので、それは良かったと思います。燃料については攻めた戦略を取っていたので、それが上手くハマらなかったのですが、チームも次回までには対策を考えてくれると思っているので、更に強くなれるチームだと思いますし、自分も良いペースで走れていたので、自信をもって挑みたいです」

表彰台確実だっただけにペナルティは痛かったが次回は間違いなく上位を目指します

開幕戦の天気とは打って変わって第2戦は快晴。3番手からスタートする#16 ARTA MUGEN NSX-GTの活躍が期待された。ウォームアップ走行を6番手で車のコンディションは良さそうだ。

スタートドライバーは福住仁嶺選手。3番手をキープしながら、ストレートに戻ってきた。2周目はダンロップコーナーで前車を抜き、2位に浮上。福住選手のペースはよく、徐々にトップの背後に迫っていくが、3番手の車が徐々に差を詰めてきて30周目のAコーナーで3番手に落ちてしまう。

31周目にピットインするが、作業に手間取り、11番手でコースに復帰する。40周目には全車が1回目のピットインを行い、福住選手は4番手を走行。順調に周回を重ねて、63周目にルーティンのピットインを行う予定だったが、1回目のピットインで作業違反があり、ここでドライブスルーペナルティを受けてしまう。

64周目にルーティンのピットインを行い、大津弘樹選手に交代。14番手でコースに復帰する。77周目には全車が2回目のピットインを終え、順位は12番手。

3番手を走行していた車両がトラブルで、11番手を走行。前車まで1秒以内の攻防を続けていたが、チームメイトの8号車が98周目にスローダウンしてしまい、10位でチェッカーを受け、貴重なポイントを獲得した。


鈴木亜久里監督のコメント

「勝てる手応えがあっただけにミスがあったのは残念だけど、もう一度しっかりと取り組んでミスが無いようにしたいね。2人のドライバーは良く頑張ってくれたし、チームも勝てる力を持っているから、次頑張ります」


土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント

「ピット作業ミスは同じミスを繰り返さないようにしっかりと次に生かさないとね。全体的なペースは良かったので、残念だけど、次も軽いので、必ず結果を出せるように準備します」


田中洋克チームディレクターのコメント

「ピット作業違反はホイールナットが上手く締まらなかったので、給油を先にするという判断をしてしまったのですが、締まらない状態での給油が作業違反になってしまいました。ペースが良かっただけに応援してくださった方々には申し訳ないです。次、挽回します」


福住仁嶺選手のコメント

「最初のスティントも悪くなくて、トップをずっと追いかけていたんですけど、なかなか追い抜く事が出来ませんでした。コース上でパンクしている車があったので、早めにピットに入りました。
ダブルスティント走り、最初のピットインで作業違反もあり、ドライブスルーで確実に取れた表彰台を落としてしまい悔しい結果になってしまいました。次もノーウエイトで走れるので、結果にこだわって戦いたいです」


大津弘樹選手のコメント

「前半は仁嶺が良いレースをしていて、2番手まで追い上げてくれてよかったのですが、ドライブスルーペナルティを受けてしまい、そこで勝負権は失っちゃったんですけど、上位のトラブルなどもあって、ポイントを獲れたのは良かったと思います。結果は悪かったのですが、内容は良かったと思っていて、ポテンシャルの高いチームであることは凄く感じたので、これからもっと強いレースが出来ると思います」

Round.2 / 2023