レポート Report

野尻、福住のベストコンビでまずは予選2位から優勝を目指す

4月に開幕する予定だったSUPER GTだが、今年猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響により3ヶ月遅れでようやく開幕戦を迎える事になった。感染拡大防止の為に無観客でレースが行われる事になってしまったのは非常に残念だ。予選が始まってみて、やはりお客様にサーキットに来て見てもらってSUPER GTというレースが完成するのだと感じた。しかし、J Sportsで中継を見て下さっているお客様には面白いレースをお見せするので今年のARTAに期待して欲しい。

今年のドライバーだが、昨年に引き続き野尻智紀、そしてその相棒は、昨年ルーキーイヤーながらGT300のチャンピオンに輝いた福住仁嶺だ。2人のコンビネーションはよく、最速の組み合わせと囁かれるほどだ。

今年からGT500車両はリニューアルされ、NSX-GTは今までミッドシップエンジンだったが、他メーカーと同じフロントシップエンジンに変更される事になった。2010-2013年まで走らせていたHSV-010でフロントシップは経験しているがNSXがフロントシップになるのはこれが初めてだ。

今回は予選、決勝が日曜日に行われる事になり、土曜日の午後にフリー走行が行われた。テストから好調なARTA NSX-GTはフリー走行を2番手で終えた。トップとの差は僅差で手応え十分なパフォーマンスを見せた。

Q1は福住仁嶺がアタックを担当した。福住はウォームアップを入れたあとアタックへ入っていった。福住はセクタータイムを削り、なんとコースレコードでQ1を1番手で終えた。

続くQ2は野尻智紀。非常にプレッシャーがかかるQ2となったが、野尻も見事なアタックでトップと0.1秒差の2番手で終えた。フロントローからのスタートで優勝を狙う。


鈴木亜久里監督のコメント

「ようやく開幕する事が出来て、SUPER GTファンの皆さまにようやくレースを見てもらえる事になって嬉しいです。但し、無観客レースなので、早くサーキットに来てもらってお客さんの前でレースがしたいね。まだ感染の恐れがあるので、自分たちは精一杯感染予防、防止策に取り組んで行きたいですね。8号車は車のバランスがとても良いので、コンディションの変化にうまく対応しながら戦っていければ良い結果を得られると思っています。2人ともコースレコードを出してくれて速さはあると思うので、トラブルに巻き込まれないように戦っていきたいね。期待していて下さい」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「Q1はコースレコードタイムを出せるほど速い車だったのでとても良かったです。Q2はポールポジションを獲れなかったのでとても悔しい気持ちです。レースは路面温度が上がりそうなので、ウォームアップ走行で様子を見ながらセットを決めていきたいと思います。フロントローなので、優勝を目指して頑張りたいです」

野尻智紀選手のコメント

「もちろんポールポジションは狙っていましたが、今僕たちが持っているポテンシャルはうまく引き出せたと思っています。あとはここからレースをどう戦っていくかがとても重要なので決勝まで少ない時間ですが、準備していきたいと思います」

福住仁嶺選手のコメント

「昨日のフリー走行は気になる点もありましたが、車のフィーリングも悪くなくて微調整して予選に挑みました。持ち込んだセットが良かったので、Q1をトップで終える事が出来ました。自分としても満足出来るアタックでしたが、レースはこれからですし、初めてのGT500クラスのレースなので色々と学びながら戦っていきたいと思います」

マシンバランスはとても良いが、難しいタイヤチョイスで予選は22番手

ディフェンディングチャンピオンとして戦う今年の体制は、昨年に引き続き高木真一を起用する。その相棒として大湯都史樹がチームに加入。大湯はツーリングカーのレースに出場するのは今年が初めてだが、テストから高木と遜色ないタイムを叩き出し、とてもスピードのあるドライバーだ。

事前のテストでも好調で、チームは2年連続チャンピオン獲得を目指す。昨日行われたフリー走行は濃霧で開始が遅れるも、最終的に2番手のタイムを記録し、好調さは維持出来ているようだ。

今年最初の予選だが、GT300クラスは台数が多いため、AグループとBグループに分けて行われる事になった。それぞれのグループのQ2進出ラインは8番手。

最初のアタックは高木真一だ。Q1開始前の路面コンディションは所々濡れているが水溜りはなく、チームはタイヤチョイスに迷った。路面温度が上がりきらなかったので、ウェットタイヤで高木はコースイン。

しかし、走行中に路面は殆ど乾き、日差しが出てきて路面温度も上昇していく。Q1序盤、高木はトップタイムをマークしたものの、ドライタイヤを履いている他車は徐々にタイムアップし、高木は最終的にAグループの11番手で予選を終え、決勝は22番手スタートとなる。

ドライタイヤでのパフォーマンスは非常に高いので、この後行われる決勝にご期待頂きたい。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「今年も半分終わってしまいましたが、ようやく開幕を迎える事が出来て、応援して下さる皆さまも心待ちにしてくれていたと思います。今までの事が当たり前では無くなった状況で、こうやって開幕を迎える事が出来て非常に幸せです。予選は作戦を失敗してしまいましたが、決勝は応援して下さる皆さまに良いレースを見せたいと思っています。応援宜しくお願いします」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「プラクティスのパフォーマンスは非常に高くて、事前のテストで試したアイテムがとても良く機能していたので、持ち込みセットでうまくパフォーマンスを引き出せたというのはあります。予選は完全にタイヤチョイスを誤ってしまったのが下位に落ちてしまった原因です。決勝は予選でドライタイヤを使わなかったので、タイヤライフの面で有利だと思っています。後方から追い上げていきたいと思います」

高木真一選手のコメント

「ウェットタイヤを履いているチームもいれば、ドライタイヤを履いているチームもいたので、非常に難しいコンディションであったというのはお分かり頂けたと思います。これが最終戦だったら非常に厳しいポジションですが、まだ開幕戦なので、チャンピオンを獲得することを考えれば、決勝は確実にポイントを獲っていく戦い方をする事が大切だと思っています」

大湯都史樹選手のコメント

「高木さんがQ1のアタックを担当して下さいましたが、微妙なコンディションだったのでタイヤチョイスは本当に難しかったと思います。スタートは後方からですが、追い上げてポイントを狙いたいですね。そして次のレースにつなげるものを見つけながらレースをしていきたいです」

ポイント獲得も、ロングのセットアップに課題見える

今回は予選と決勝が同日に行われるスケジュールとなった。予選を終えてすぐに決勝レースへの準備を進めた。ウォーミングアップでは気温が上がり、選んだタイヤのコンパウンドがレースで合うかどうかが不安要素だった。

スタートドライバーは福住仁嶺。500クラスのデビューレースでスタートを担当した福住はポールポジションの車との間合いをうまく取りながらスタートを切った。ポールの車の背後につけ、1コーナーで並びかけたが抜くまでに至らず、2周目に入ったところでセーフティーカーが導入される。後方で接触があったようだ。

5周目に再スタートが切られ福住はトップの車に離されないように周回を重ねたが、トップのペースについていけず、徐々に離されてしまう。更に3、4位の車に追いつかれてしまい、17周目には5番手まで順位を落としてしまう。チームは福住を予定より早めにピットに入れる事にし、25周目に野尻智紀に交代。前半の福住のペースが上がらなかったので、硬めのタイヤに変えて後半を戦った。

野尻は10番手で戦列に復帰。その後はペースも良く、他車のルーティンのピットインもあり、34周目までに5番手まで順位を挽回した。

38周目に300クラスの車両がコース上でストップしてしまい、ここで2回目のセーフティーカーが入る。42周目に再スタートが切られた。ペースは安定していて悪くなかったものの、順位を上げるのは至難の業だった。他車のペースも良く、最終的には8番手でレースを終えた。

課題はまだまだ多いが、貴重なポイントを獲得出来た。


鈴木亜久里監督のコメント

「胃が痛くなるようなレースだったね。久しぶりのレースだったので、何とか良い結果を出したいと思っていたし、テストの結果からすると良い結果につなげられると思っていたからね。しかし、ロングランのセットアップに課題があったようで、次回までに改善しなければならないね。チャンピオンシップを考えるとポイントも獲れたし、悪くない順位だと思うので、次回は上位でフィニッシュ出来るように頑張ります」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「悔しいレースでしたね。最初のスティントは短い周回数で交代しようと思っていましたし、他の車のタイヤがタレ始めてもペースが悪くなかったけど、セットの問題なのかペースが上げられませんでした。後半は硬めのタイヤに変えて、タイヤ自体のパフォーマンスは高かったけど、ピックアップの問題もありました。短い周回だとペースは良いのですが、全体的にペースが良くなかったので、ロングのセットを見直さなくてはなりません」

野尻智紀選手のコメント

「残念です。予想していたより、トップグループの車とポテンシャルの差があったと思うのですが、まだ始まったばかりというのと、テストとレースのコンディションの差がありすぎたので、これをしっかり解析して次のレースに向けて強いレースが出来るようにドライビング、セッティング向上に取り組んでいきたいと思っています」

福住仁嶺選手のコメント

「僕たちがチョイスしたタイヤは周りと比べても柔らかめのタイヤで、ウォームアップの時点であまりペースが良くないと感じていたので覚悟してレースに挑みました。予想していたとおりペースが上がらず、可能な限りペースを落とさないように走ることと、300クラスの車をいかに抜いていくかを学びながらレースをしました。500クラスのレースは初めてだったのでわからない部分もありましたが、そこも勉強のひとつと思っていたので、落ち着いてレースが出来たと思います。ペースが上がらない中、苦しい状況でも完走してデータも取れてポイントも獲れたので次回につながるレースになったと思います」

ペナルティは余計だったが、ペースも良く後方から追い上げて7位

予選は失敗してしまったが、ウォームアップ走行では感触が良さそうだった。スタートドライバーは高木真一。

高木のスタートはよく、1コーナーまでに2台を抜き、20番手でストレートに戻ってきた。しかし、500クラスで接触があり、スタート早々にセーフティーカーが導入される。

5周目に再スタートが切られ、高木はここから一気に順位を上げるが高木はここで痛恨のミスを犯してしまう。再スタート時にスタートラインより手前で前車を抜いてしまい、19周目にドライブスルーペナルティを受けてしまったのだ。ペナルティーを受けるまでに10番手まで順位を上げていたが、24番手まで順位を落としてしまう。

しかし、ペースはとても良く、大湯都史樹に変わる27周目までに13番手まで順位を回復した。大湯は19番手でコースに復帰し、全体の中でも速いペースで周回を重ねていたが、34周目に300車両がコース上に止まってしまい、今日2回目のセーフティーカーが導入された。

40周目に再スタートが切られ、他車のルーティンのピットインもあり、10番手まで順位を上げる。その後の大湯のペースは非常によく、最終的に7位まで順位を上げでチェッカーを受けた。

ペースが良かっただけに予選の順位やペナルティーが悔やまれるが、チャンピオンシップを考えると悪くない結果だ。

次回は8月8日、9日に同じ富士スピードウェイで第2戦が行われる。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「大湯はデビューレースでとても落ち着いたレースをしてくれたね。ペースも良くて良い仕事をしてくれた。ペナルティーは悔やまれるけど、次回のウェイトハンディを考えると悪くない結果だったと思うね」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「苦しいレースでしたけど、下位のポジションから順位を上げる事が出来ましたし、車もドライバーのポテンシャルも高かったので、この順位まで挽回出来たのだと思います。大湯はミスなくしっかり最後まで車をゴールまで運んでくれて、ペースも速かったので非常に良かったと思っています。ペナルティーはあったものの、もちろん高木さんも素晴らしい仕事をしてくれました」

高木真一選手のコメント

「予選から失敗してしまいましたが、車のポテンシャルは高いので何とか10位以内でレースを終えたいと思っていました。うまく行けば5位くらいまで上がれれば良いと思ってレースをしました。車はそれ以上のパフォーマンスがあり、もっと前まで行く手応えがありましたが、リスタートで失敗をしてペナルティーを食らってしまい、チームのみんなに申し訳ないと思っています。幸い、その後セーフティーカーが入ってくれたので、順位を大きく落とすことなくレースが出来ました。その後は大湯が車のポテンシャルを最大限に引き出してくれました。次のレースを考えると良い順位でゴールが出来たし、ポイントを獲得出来たのは良かったと思います」

大湯都史樹選手のコメント

「レースは色々な事があり結構大変な週末でしたが、高木さんも僕もとても良いペースで走る事が出来て、自分でも沢山車を抜くことが出来ました。まずは目標のポイントゲットが出来たので、SUPER GTのデビューレースを何とか終える事が出来て良かったと思っています」

Round.1 / 2020