レポート Report

午前トップタイムも、コンディションの変化でグリップに変化?

新型コロナウィルスの影響で昨年はここ岡山でレースが開催されなかったが、ようやくこの地に戻ることが出来た。今後は少しでも早くファンの皆さまが安心して入場出来るように我々は感染拡大防止策を徹底していきたい。

今年のドライバーラインナップは既に発表されているとおり、昨年に引き続き野尻智紀と福住二嶺の組み合わせだ。野尻は前週に行われたSUPER FORMULAのレースでポールポジションから優勝し、福住も3位表彰台を獲得している。この良い流れを掴んでSUPER GTでも好結果を残していきたい。

昨年は予選では強かったが決勝で弱いところがあったので、オフシーズンは決勝を見据えたテストを重ねてきた。順位的には良い順位ではなかったが、我々は手応えを掴んで岡山国際サーキットへ乗り込んだ。

今朝のフリープラクティスではその結果が順位で現れた。トップでセッションを終え、いよいよ今年最初の予選だ。野尻はQ1を担当。タイヤを暖めながらアタックのタイミングを見計らっていたが、車のバランスが午前のセッションとは大きく違っていた。野尻はタイムアタックを敢行したが、Q2へ進出する事は出来なかった。現在は原因を解析中だが、決勝は後方からの追い上げを期待したい。


鈴木亜久里監督のコメント

「まず、岡山でレースを開催出来た事をとても嬉しく思います。去年は3つのサーキットでしかレースが行われなかったし、まだまだ入場制限、規制が多いけど、こうやってレースを行うことが出来て、徐々に普通に戻っていければと思っています。
今日の午前は調子良かったのに、午後は良くなかったね。ほんのちょっとの変化で大きく順位を落としてしまう難しさがある。これを克服して、明日は挽回したいね」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「専有走行から予選まででなぜあんなにタイムが落ちたのか分かりません。今からデータを見てみないと何とも言えませんが、グリップが全体的に悪かったです。荷重の問題なのか、グリップなのかしっかり今夜解析したいです。明日は決勝向けのセットに切り替えるので、順位を上げてポイントを獲得したいです」

野尻智紀選手のコメント

「アタック自体は最終セクターで引っかかってしまったというのもありますが、だからと言ってトップを狙える手応えも無かったので、なんでだろう?という印象です。オフのテストもちょっとコンディションが変わるとタイムが出ないことがあったので、ちょっと不安に思っていましたが、今回それが出てしまいました。原因を究明して改善していきたいです。決勝のセットは悪くないと思いますので、ポイントを獲得出来るように頑張ります」

福住仁嶺選手のコメント

「フリー走行ではトップで終えることが出来ましたが、予選はコンディションが大きく変わっていました。Q1は野尻さんが担当しましたが、コンディション変化によるタイヤのグリップはボクも不安に思っている部分があったので、野尻さんの走りがどうなるかプレッシャーを感じながら見ていました。コンディション変化にタイヤを合わせることが出来なかったのだと思います。明日はデータを取りつつ、ポイントを獲得出来るようにしっかり最後まで走りきりたいと思います」

ベテラン高木と新人佐藤で明日は上位を狙いたい

今年のドライバーは昨年に引き続き高木真一を第1ドライバーとして起用。第2ドライバーは新進気鋭の佐藤蓮。佐藤はレーシングカート時代から数々のチャンピオンを獲得。今年はARTAのドライバーとして活躍が期待される。

高木は昨年の負傷で復帰が心配されたが、超人的な回復力で復帰を遂げた。オフシーズンのテストではツーリングカーが初めての佐藤の慣熟走行を重ねたが、すぐにARTA NSX GT3を乗りこなし即戦力である事を確認出来た。今朝のフリープラクティスでは4位でセッションを終え、予選が楽しみになった。

Q1は昨年に引き続き、Aグループ、Bグループに分けられ、55号車はBグループでの走行になった。高木がQ1に出走。2周のウォームアップを予定していたが気温が上がったせいか、タイヤには早めに熱が入りアタックを開始した。3位でQ1を突破し、佐藤にQ2を託した。

佐藤はエンジニアの指示通り、2周のウォームアップ後にアタックを開始。しかし、気温上昇によりタイヤが暖まりすぎてしまい、思うようにタイムが伸ばせず9位でQ2を終えた。

決勝のセットは良さそうなので、明日はひとつひとつポジションを上げて表彰台を狙いたい。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「まず、この岡山に戻ってこられたのがとても嬉しい。色々なサーキットでたくさんの人にこのSUPER GTを見て頂きたいです。サーキットへ来ることが出来ないお客様は是非テレビで観戦して欲しいね。
予選はラバーがどんどん路面に乗ってきてコントロールが難しくなっちゃったみたいだね。9番手スタートだけど、決勝のセットは良さそうなのでもう追い上げるしか無いね。表彰台を狙っていきます」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「Q1のパフォーマンスは悪くなくて、高木さんが予定通りタイムを出してくれました。Q2はコンディション変化によって、Q1からのタイムアップが出来なかったのが残念です。まだデータを見ていないので、なぜタイムが出なかったのか解析したいです。明日のレースへ向けては今朝のプラクティスでいくつか発見があったので、それをアレンジして後方から追い上げたいです。」

高木真一選手のコメント

「オフシーズンからの良い流れを持ち込む事が出来て、朝からバランスは良かったです。予選は殆どセットを変えずに行く事が出来ました。ボクの時は朝から15℃ぐらい低い路面温度と変わらないバランスで朝と同じようなイメージで走れました。タイムが出たのですぐにやめてタイヤを温存しました。Q2は若手の蓮に勢いよく行ってもらおうと思いましたが、欲を出してセットアップを変えたところが順位を上げる事が出来なかったのかも知れません。明日に向けてデータを解析し、蓮が予選で上手く戦えるような体制を築いていきたいですね。明日は悪くないと思いますので、ポイントを獲得出来るように戦っていきたいです」

佐藤蓮選手のコメント

「500クラスが走った後の路面に合わせきることが出来なかったので、ちょっと差がついてしまいました。レースは別物ですし、ロングでは速い事がわかっているので、ポイントを大量に獲得出来るように頑張って走りたいです」

マシンも改善して後方から7位まで浮上するがレベルアップが課題

昨日の予選が不本意だったため、ドライバー、エンジニアは綿密なミーティングを夜遅くまで行い、今朝はセット変更のためメカニック達は朝早くから作業を始めていた。決勝前のウォームアップではバランスが元に戻ったようで、まずまずの手応えを得てスタートを迎えた。

スタートドライバーは野尻智紀。2周のフォーメーションラップを終えスタートを切った。バックストレート手前で前車に並ぶものの、抜くまでには至らず、順位をキープして周回を重ねた。7周目に入ったところでGT300クラスの車両がコースアウト、セーフティーカーが導入される。順位は14番手をキープ。

13周目にリスタートが切られた。昨年のチャンピオンの背後につくが、ストレートで離されてしまう。しかし、このあと激しい順位争いが繰り広げられる。12-14番手走行の3台が順位を入れ替えながら展開。野尻は13番手に落ち着き、周回を重ねた。野尻のペースは良く、19周目のバックストレートからヘアピンまでに一気に9番手まで順位を上げる事に成功。セッティングの変更は上手く行ったようだ。全体の車両のペースを見てもアベレージでは最速のようだ。

野尻は9番手をキープしたまま、32周目にピットイン。野尻がピットに入ったタイミングでGT300クラスの車両が1コーナーでスピン。この後、セーフティーカーが導入されるが、タイミングよくルーティンのピットインが出来、福住仁嶺に後半を託した。

福住は順位を落とす事なく9番手でコースに復帰。40周目にリスタートが切られた。43周目に8番手までポジションアップ。しかし、ここからは上位のペースも安定して、なかなか順位を上げられない。50周目に順位を争っている車両が他車と接触してしまい、ヒヤッとするところもあったが、福住は順調に周回を重ねる。

52周目には7番手まで順位を上げ6番手を追う。福住のラップタイムは速いものの、300クラスの車両が間に入るとなかなかペースを上げられない。前車には届かなかったが、7番手で82周を走りきり、7位で貴重なポイントを獲得した。


鈴木亜久里監督のコメント

「昨日の不調から復活出来たのは良かったね。予選が良かったとしても、トップ3の車には追いつけなかったかも知れないから、次回までにレベルアップしなければならないね。まずはポイントを獲れたのは良かった」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「最低限の仕事は出来たのかな?と思います。後方からのスタートだったので、沢山の車を抜いていかなければならなかったけど、トップの3台の速さはまだ見えないですね。去年より確実に速くなっているし、2人が上手く乗れる車を作る事が出来たと思います。もちろんまだ改善出来るところは沢山ありますが、14位から順位を上げて行ってくれたのは楽しかったです。2人は疲れていると思うけどね」

野尻智紀選手のコメント

「昨日の予選の順位が良くなかったので、追い上げるレースをしようと話をしていました。でもここは抜くのが難しいので、今日のコンディションはどのタイヤメーカーにとっても暑すぎるような状況だったので、全車タレるだろうな、と思っていて、タイヤを温存しながら、自分のスティントの後半に追い上げられるような作戦を考えていました。オーバーテイク自体は上手く行きましたが、もう少し早くそのような展開に持っていければというのが反省点です。今週、仮に予選順位が良かったとしても決勝の順位はそれほど変わらなかったのかな、と思います。今の自分たちの実力なので、次回までにレベルアップ出来るように進めて行きたいです」

福住仁嶺選手のコメント

「14位スタートから7位で終える事が出来ました。野尻さんが素晴らしい走りで戻ってきてくれて、そこからボクにバトンタッチしたのですが、最初からペースが上がらなくて後ろからも追い上げられて苦労するところもありましたが、落ち着いて16号車を抜く事も出来て、接触もありましたが、最後まで走り切る事が出来て良かったです。まだまだ改善しなければならない事もあるので、富士までに準備していきたいです」

佐藤蓮は初めてのレースながらアクティブな走りを見せるも接触して初戦は終了

スタート前のウォームアップでは決勝のセット確認を行った。オフシーズンのテストから悩んでいたオーバーステアが消えたようだ。セット変更の方向性は間違っていなかった。

スタートは高木真一。順位をキープしたまま周回を重ねる。6周目にGT300車両がコースアウトしてしまい、セーフティーカーが導入される。SC導入中にエンジニアがトップグループのタイムと遜色ないタイムで走行している事を無線で高木に伝えた。上位への進出は十分にチャンスがあるようだ。

12周目にリスタートが切られた。高木のペースは良く13周目に8番手にポジションアップ。高木は長年のライバルでもある新田選手の背後につけ順位争いを展開。しかし、なかなか抜くに至らず、ペースを上げられない。26周を過ぎたあたりから、徐々にルーティンのピットインを行うチームが出てくる。

30周目に1コーナーでGT300クラスの車両がコースアウト。このタイミングで急遽高木をピットインさせ、佐藤蓮に交代。ピットアウトさせた直後にセーフティーカーが導入され、ギリギリでルーティンのピット作業を終える事に成功。

14番手でコースに復帰。38周目にリスタートが切られ、他車のピットインもあり、この時点で11番手まで順位を戻す。佐藤は安定したペースで50周目までにポイント圏内の8番手まで順位を挽回。そのまま8番手で周回を重ねるが、67周目のヘアピンで順位を争っていた車両と接触してしまう。

7番手までポジションをアップするものの、ドライブスルーペナルティを受けてしまう。車両も破損してしまったので、そのままピットに入りレースを終えた。佐藤のアグレッシブな走りは次のレースに期待を持たせるものだった。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「昨年の大湯もそうだけど、若いドライバーは勢いがあっていいね。接触してしまったけどそれも経験だね。これで色々な事を吸収していって、この1年で佐藤蓮は大きく化けるだろうね」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「苦しいレースでしたね。ウォームアップは悪くなかったのですが、最初のスティントで96号車に引っかかってしまいましたが、そこで抜けていれば展開は変わっていたと思います。SCが入りそうだったので、ドタバタでしたが、ピットインしてメカニックも上手く対応してくれたので、そこまでは良かったです。セカンドスティントは前の31号車をなかなか抜けなくて、オーバーテイクのタイミングで500の車両がいてスペースも無かったので接触は悔やまれますが、蓮はスピードがあるので、次回以降が楽しみです」

高木真一選手のコメント

「車は前半そんなに調子は悪くなかったですが、周りの車を抜くこところまでは行きませんでした。ロータスだけは何とかSCの後にこちらのタイヤの状態が良かったので抜くことが出来ました。新田さんの車はストレートが速くて抜くまでに至りませんでした。車は速いんですけど、まだ抜けるような車に仕上がっていないので、無理せず状況を見ながらレースを戦っていました。ピットのタイミングなどで何台か前に行かれてしまい、抜くのが難しいサーキットなので、順位を上げるのに苦労しました。蓮はこれから経験を積んで、一緒に結果を残していきたいですね」

佐藤蓮選手のコメント

「ペース的には悪くなかったのですが、後半31号車とのバトルでスペースの無いところで判断ミスもあり接触してしまいましたので、これは大きな反省点です。しかし、シーズンは始まったばかりなので、気持ちを切り替えて次回に向けて準備していきたいです」

Round.1 / 2021