前週に行われたSUPER FORMULAのレースで、野尻智紀選手は優勝、大湯都史樹選手は3位表彰台で、2人とも良い雰囲気で鈴鹿に乗り込んだ。
午前のセッションは車のバランスも良くタイムは5番手だったものの、予選は十分な手応えを感じていた。Q1は野尻選手が彼らしいパフォーマンスを発揮し、トップでQ1を突破。大湯選手にQ2を託した。
セッションの残り時間、6分弱のところでコースイン。タイヤを暖めながらアタックに入って行った。セクタータイムはマイナスを計時してポール獲得の期待が高まったが、デグナー2個目で勢い余り、4輪脱輪してしまうが、大湯選手はアタックを止めず、最後まで走り切り3番手のタイムを叩き出した。このタイムは記録として残らないものの、ドライバーと車のパフォーマンスの高さを証明したアタックだった。
明日は7番手スタートとなるが、優勝を目指して頑張りたい。
「大湯はあれだけアウト側の芝生に乗っちゃうと1秒ぐらいは損しているはずなのに、トップから0.2秒ほどしか離れていなかったのを見るともったいなかった、と思うけど、あのタイムで帰ってくるのは本当に凄い。8号車も決勝は期待出来ます」
「持ち込みも良くて、期待出来る中での予選でした。大湯の怪我も回復に向かっていて普通に乗れるコンディションになりましたし、野尻がQ1トップで帰ってきてくれて、十分手応えがある中で大湯はQ2頑張ってくれたんですが、勢いが良すぎて4輪脱輪してしまいました。ワンツー獲れるぐらいのパフォーマンスだったので、レースに向けて優勝出来るように準備していきます」
「予選の結果としては下がってしまいましたが、今週いい流れで車の調子も良いので、明日に向けてポジティブな要素が揃っているので、しっかり準備していきたいです」
「ボクの完全なミスです。それまでは攻めまくっていたのですが、まとめ切れなかったら、それまでなので反省しています。野尻さんがトップで帰ってきてくれたので、勝てるポテンシャルは間違いなくある車なので、7番手スタートではありますが、巻き返して優勝出来るように頑張ります」
走り出しから車のバランスは良く、午前のセッションはトップタイムで終える事が出来た。緊張感が漂っているが、チームの雰囲気は良い。
Q1は大津弘樹選手がアタックを行った。午前のタイムを1秒以上縮めてQ1を5番手で突破した。午前とコンディションが変わって、操縦性も変わってしまったようだ。大津選手はチームに車の症状を伝え、Q2に向けてセットのアジャストを行った。
Q2は福住仁嶺選手。先にアタックした車両のタイムが良かったので、それを超える事が出来るかどうか微妙なところだったが、福住選手は見事なアタックで見事ポールポジションを獲得した。
明日は長距離のレースだが、しっかり集中して勝ちに行きたい。
「大津がQ1突破してくれて、そこで改善すべき点をしっかりチームに伝えて、仁嶺が見事な仕事をしてくれたね。
チームワークの良さも出てきたので、今度こそ優勝出来るように集中して戦いたいね」
「大津がQ1突破して、悪いところ改善して、仁嶺がトップで帰ってきて、凄くコンビネーションが良い予選だったね。結果として残してくれて、ホンダのお膝元でポールが獲れてホッとしています。明日は目標を高く持って頑張りたいね」
「16号車も8号車と同じく、持ち込みのセットが良かったので、予選は手応えを感じていました。Q1はちょっと失速してしまいました。セットも悪い方向に行ってしまったのですが、Q2に向けてセット変更したら、見事にポールポジションを獲ってくれました。明日はこのままポジションをキープして優勝したいです」
「Q1の状況を見ると、余裕はないと思っていました。ひとつでも順位を上げられるようにと思いながら走っていました。車のアジャストも良かったですし、タイム差だけ見ると8号車に勝つのは難しいと思っていたのですが、皆のおかげで走りも悪く無かったと思いますし、久しぶりにポールを獲れて素直に嬉しいです。明日は天候がどうなるか分かりませんし、ペナルティ続きだったので、しっかり戦いチームとしてもっと強くなったことを見せられるように頑張ります」
「Q1が不発だったんですけど、セットを変えたことで車が大幅に良くなって、チーム力と仁嶺の素晴らしいアタックでポールが獲れました。明日はこのまま優勝出来るように頑張ります」
決勝前のウォームアップはコンディションとセット確認を行い、7番手のポジションでレースに挑む。スタートドライバーは野尻智紀選手。
パレードラップ、フォーメーションラップの後にスタートが切られた。クリーンスタートで、7番手をキープしたまま、野尻選手は周回を重ねた。前後の車とのペースはほぼ同じで、膠着状態が続く。チームは作戦を変え、8周目に野尻選手をピットインさせた。給油とタイヤを交換したが、タイヤ交換に時間がかかってしまい15番手でコースに復帰。その後、野尻選手のペースはそれほど悪くなかったものの、前車との差を縮めるには難しいものだった。
10周目に300クラス車両がコースアウトし、FCYが導入される。その直前に野尻選手はデグナーでアウト側にはみ出してしまうが、車にダメージは無さそうだ。
26周目を過ぎたあたりからルーティンのピットインを行う車が出始め、30周目には11番手までポジションを上げる。7番手までポジションを上げた、44周目にルーティンのピットインを行い、大湯都史樹選手に交代。
13番手でコースに復帰する。49周目に入るところで300クラスの車両のタイヤが外れてしまいFCYが導入されてしまう。翌周にはリスタートが切られ、大湯選手はポジションをひとつ上げて12番手を走行。55周目には11番手にポジションを上げる。61周目のヘアピンで他車と接触してしまい、タイヤを破損してしまう。そのまま走行を続けたが、130Rでコースアウトしてしまい、ここでFCYが導入される。
大湯選手は走行続行が困難だったので、ピットインし、車両を修復してコースに復帰するが、FCY中のピットインでペナルティを受けてしまった。68周目にペナルティを受ける為にピットインを行ったが、翌周にピットに戻りレースを終えた。全体的なペースは悪く無く、優勝出来るポテンシャルがあったので、次回こそ結果を残したい。
「2スティント目の不具合は気になるね。しっかりとデータを解析して次回に生かしたい。全体的なペースは悪くなくて、勝てるポテンシャルはあるし、良いレースをしていたので、次回は絶対に勝ちたい」
「序盤にペースが上がらなかったのが気になるね。データを調べて改善していかないと。しかし、全体的なペースは悪く無くて、勝てるポテンシャルはあると思うので、次回は勝ちたいね」
「ペースは悪く無かったのですが、2スティント目で車両に不具合があり、なかなか良いペースで走れませんでした。その原因は究明していきたいと思います。次は絶対に優勝させたいです」
「序盤なかなか抜けなかったので、早めにタイヤ交換をしたら、ロングでセットしていた感じとバランスが違ってしまい、なかなかペースを上げる事が出来ませんでした。内圧が上がらず、苦戦しましたが、大湯のスティントで内圧を上げておくように伝えたところペースが良かったので、原因を調べなくてはなりません。次回の菅生は何とか良い結果を出したいです」
「ポール獲れたレースだったと思いますし、16号車はポールトゥウィン出来ましたし、そこから流れを引き寄せられていなかったと、決勝も自分のミスもあって、ポイントを狙えるところのトライが上手くいかず、最後まで走り切れませんでした。自分の走りでポイントを獲れなかったのが悔しかったです」
決勝前のウォームアップではバランスが思わしくなく、ピットに戻ってからセット変更を行ってスタートを務める大津弘樹選手を送り出した。
グリーンライトが点灯され、上手くスタートを切った大津選手はトップをキープしたまま2周目に入って行った。ペースは速く、3周目には2番手と2秒以上のギャップを開いてレースを引っ張っていった。
6周目から300クラスのラップダウン車両が出始める。11周目に差し掛かるところで、300クラス車両がコースアウト、FCYが導入されるが、16号車はFCY直前にピットインし、給油、タイヤ交換を済ませて12番手で戦列に復帰する。
14周目あたりからタイヤ交換、給油の為にピットインする車が出始め、19周目には6番手までポジションを上げる。ペースは良く、20周目にヘアピンで1台抜いて5番手になった。
26周目を過ぎたあたりからルーティンのピットインを行う車が増え、大津選手は1番手に返り咲く。1番手をキープしたまま、44周目にルーティンのピットインを行い、福住仁嶺選手に交代。
福住選手は6番手でコースに復帰。49周目に入るところで300クラスの車両のタイヤが外れてしまいFCYが導入される。この時点で福住選手は3番手まで順位を上げていた。翌周にはリスタートが切られ、上位陣はルーティンのピットインを終え、52周目にはトップ戻った。
61周目にチームメイトの8号車が接触、コースアウトしてしまい、FCYが導入される。翌周には解除され、リスタート。福住選手はトップをキープしたまま周回を重ねる。ペースは良く、2番手とは10秒差をキープしている。
福住選手は終盤まで集中力を切らさず、2番手との差を更に広げトップでチェッカーを受け、今季初優勝を飾った。
「ポールトゥウィンで、ミスもなく最後まで走り切って優勝出来たのは嬉しいね。ウェイトも少ないからここで勝っておかないと、というプレッシャーもあったから、勝てて本当に良かった。次も良い結果を出したいね」
「完璧なレースだったね。チームもドライバーも集中力を切らさず、頑張ってくれた。何より最後までトラブルなく走って勝てたのは凄い」
「何て言っていいのかわからないです。本当に長かった。レース前のウォームアップでバランスが悪かったので、ピットに戻ってきてからセットを少し変えてから送り出しました。それが結果的に良かったと思います。今シーズン入ってからミスがあって、なかなか勝てなかったし、今日は本当にみんな頑張ってくれました」
「今回久しぶりに後半を担当しました。FCYが入りそうな絶妙なタイミングでピットに入る事が出来て、大津さんもマージンも築くことが出来ました。大津さんは燃費走行もしなければならない難しい状況でしたが、そのおかげでボクがプッシュする事も出来ましたし、その後も何事もなく最後まで走り切れたので優勝出来て良かったです」
「本当に最高です。チームの皆が本当に良い仕事をしてくれましたし、ボクのスティントも燃費を考えなきゃいけない状況だったのですが、良いタイミングでマージンを築けたので良かったです」
鈴木亜久里監督のコメント
「野尻はQ1をトップで帰ってきてくれて、車のコンディションは良いので、Q2も楽しみにしていたんだけど、大湯は勢いが良すぎたね。でも素晴らしいドライビングパフォーマンスだったので、7番手スタートでも十分上位を狙える速さを持っていると思う」