レポート Report

マシンのフィーリング良くもタイムに繋がらず

前日の金曜日は大雨に見舞われた鈴鹿サーキットだったが、今日は晴天に恵まれ絶好のレース日和となった。

体調を崩していた野尻智紀選手だったが、しっかり回復し今回はQ1を担当。午前のセッションでは好タイムを叩き出していて、予選の結果に期待がかかった。

野尻選手は4周かけてしっかりとタイヤに熱を入れて5周目にタイムアタック。しかし、タイムが伸び悩み13番手で予選を終え、Q1を突破する事は出来なかった。チームはデータを解析してタイムが出なかった原因を探っていて、明日に向けて準備を進めている。


鈴木亜久里監督のコメント

「午前中は調子が良かったので、予選は期待していたんだけど、期待通りにはいかなかったね。でもタイムがでなかった原因が分かっていないので、まずは原因をしっかり調べて、明日は挽回したいね」


土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント

「野尻がトップから1秒遅いなんて鈴鹿では考えられないので、タイムが出なかった原因をしっかり追究したいね」


田中洋克チームディレクターのコメント

「午前中は仕上がりが良くて、野尻もフィーリングが良いと言っていたので、タイムが出てもおかしくないと思っていましたが、予選では44秒台が見えなかったようです。フィーリングやバランスが良くてもタイムが出ない事はあるので、しっかりと原因を追究して明日までに修正したいと思います。」


野尻智紀選手のコメント

「タイムが伸びなくてQ1を突破出来なかったのですが、午前中、調子がよかったという事が自分達の足を引っ張ってしまったところもあってパフォーマンスを上げきれなかったと思います。明日はまだ長いので追い上げのレースが出来るように準備したいと思います」


大湯都史樹選手のコメント

「まず、今回、野尻さんが回復して出場できる事になったのは大変喜ばしい事でした。野尻さんは今まで通りの走りも出来ているようですし、体調に問題無い事が確認出来たのではないかと思っています。午前は調子が良くて、予選では上位3位以内を狙える手応えを感じていましたし、フリー自体は順調にセットアップも進められましたし、予選へ向けての組み立ても出来ていたと思いました。しかし原因が分かっていなくて、条件的には他のBS勢と比較しても大きな違いは見当たらないのですし、何が原因で予選が不調だったか分かってないので、明日に向けて不安はありますが、決勝までの時間を使って明日に向けてどれだけ良い準備が出来るかがチームとして大切だと思いますので、原因を追究していきたいです」

午前のフリー走行でクルマ決まらずも、チームの努力でQ2進出を果たす

午前のフリー走行は走り始めから車のセットが改善されず、タイムが伸び悩んだ。予選までに何とか挽回すべく、ドライバーとエンジニアで綿密なミーティングが行われ、予選へ向けてセットの変更が行われた。

Q1は福住仁嶺選手がアタックした。セット変更が良い方向へ出たのか、福住選手は4番手でQ1を通過。

Q1のコンディションをチームや大津弘樹選手へ伝え、Q2に挑んだ。タイムは期待通りに伸ばす事が出来ず、7番手で予選を終えたが、午前のフリー走行のパフォーマンスを考えると大きく飛躍出来た予選だった。明日は表彰台を目指して準備を進めたい。


鈴木亜久里監督のコメント

「上位3台は速いけど、4番手以降は僅差なのでもう少し車を見直してもっと上に行けるようにしないといけないね」


土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント

「2列目まで行くかな?と思っていたけど、周りのタイムが伸びて、ウチだけ伸びなかったね。タイムアップ出来なかった原因を追究していきたいね」


田中洋克チームディレクターのコメント

「午前中はフィーリングが悪くて、車も扱いづらいようでした。車を大きく変えないと予選を戦えない状況でした。Q1は車のバランスも良くなって手応えもありましたが、Q2は7位だったのでまだまだ足りないと思っています。明日レース長いので、しっかり見直して準備したいと思います」


福住仁嶺選手のコメント

「走り始めから終盤にかけて良くない方向に進んでいったというのもあって、専有走行でもタイムが上げられませんでした。Q1へ向けて車を色々と変えていくのに、色々と悩んだりした事もありましたが、チームが良い車を作ってくれて、4番手でQ1を突破出来ました。Q2は少しアジャストしてもらったのですが、それが良くない方向へ行ってしまったのかな?というところもあり、ボクの判断ミスというのも少しあったと思っています。明日は距離も長いので、とにかく良い車に仕上げてチームとともに頑張ります」


大津弘樹選手のコメント

「ボク自身500クラスでQ2を走るのはほとんど経験が無かったので、今日は何とか良いタイムを出したいと思っていました。限界は引き出せたのですが、もう少しイケたかな?と思うところが少しあって、思った以上に順位を上げられませんでした。しかし、フリー走行は結構苦しい状況だったので、Q2まで行ける車を用意してくれたチームに感謝したいです。車のセットは良いベースが見つかったので、明日に向けて良い準備を進めたいです」

マシンはいい方向に向かわず、原因究明をして次戦で取り返す

昨日の予選後の車検で、#8 ARTA MUGEN NSX-GTより前の車両2台が車検をクリアできず、スタート位置が2つ繰り上がり、11番手からのスタートとなった。ウォームアップでは、タイヤの皮むきを行いスタートを待った。

スタートドライバーは大湯都史樹選手。クリーンなスタートで11番手をキープしたまま周回を重ねる。7周目に300クラスの車両のタイヤが外れ、フルコースイエロー(FCY)が入ったが、直後にセーフティーカー(SC)が導入される。

12周目にリスタートが切られたが、大湯選手は1コーナーでポジションをひとつ落としてしまう。なかなかペースが上がらない大湯選手は18周目で更にひとつポジションを落としてしまい、19周目にピットイン。給油、タイヤ交換を済ませ15番手でコースへ復帰。他車のピットインもあり、23周目には12番手まで浮上。

30周を過ぎたあたりからルーティンのピットインを行うチームが出始めた。31周目には入賞圏内を走行していたが、34周目にシケインの進入で他車と接触してしまい、ポジションをひとつ落としてしまう。接触の影響はなく、走行を続行。45周あたりから、2回目のピットインを行う車両が出始め、大湯選手は48周目にピットインを行い、ここで野尻智紀選手に交代。

全車が2回目のルーティンを終え、50周目の時点で野尻選手は13番手を走行。路面温度が徐々に下がり始め、ソフトタイヤをチョイスした野尻選手のラップタイムも安定して上がってきた。57周目にシケイン手前で大きなアクシデントが発生し、ここでSCが導入され、直後に赤旗でレース中断となったが、そのままレースは終了となった。


鈴木亜久里監督のコメント

「大きなアクシデントでレースが終わってしまったのは残念だね。最後まで走り切りたかったけど、8号車はなかなかペースが上がらなかったので、原因をしっかりつきとめて、次回こそ上位で戦いたいね」


土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント

「フリーが良かったのに、予選、決勝と崩れてしまったので、原因を究明して次回は前で戦えるようにしたいね。アクシデントでレースが終わってしまったのは残念ですが、事故を起こした選手の回復を祈ります」


田中洋克チームディレクターのコメント

「ウォームアップはフィーリングが良く無くて、昨日の予選からの状況と引きずっていた感じがしたので、レースに向けてセットを変更したものの、ペースは良く無かったです。鈴鹿でのテストではスピードがあったのですが、気温が上がってダウンフォースが少なくなった時の合わせこみが出来ていないと思います。このままではレースが出来ないので、次回までに改善したいと思います」


野尻智紀選手のコメント

「残念なカタチでレースが終わってしまいましたが、予選から自分達のパフォーマンスが悪いところへ行ってしまって、思うようなレースが出来ませんでしたが、色々と見直す部分も見えてきたレースだったので、次まで改善して良いレースをしたいです」


大湯都史樹選手のコメント

「今日は土曜の段階では決勝のペースにも自信がありました。ウォームアップの段階で思うような手応えを感じられていませんでした。決勝ではペースも上げられないですし、ストレートも速くなくて抜けないし、抜かれるレースになってしまいました。一番はペース改善をしなければ戦えないと感じていました。レースは残念なカタチで終わってしまい、次生さんの身体も心配でしたが、アクシデントもなく、あのまま走っていても上位に行ける感触はなくて、応援して下さっている皆さまには申し訳なかったです。流れが悪いので、この後、どう立て直すかが大事だと思いますので、予選で上位を獲得してレースを良いペースで戦えるように改善していきたいです。次回はウェイトも少ないので、次は上位で戦えるのをお見せ出来るように頑張ります」

結果は7位だったが、次戦につながるレースができたはず

レポート配信後に車検で2台の車両が通らなかったがそのうちの1台が、#16 ARTA MUGEN NSX-GTより前のポジションだったため、1つポジションが繰り上がり6番手からスタートする事になった。

スタート前のウォームアップ走行は3番手のタイムを叩き出し、決勝に向けて期待がかかった。

スタートドライバーは福住仁嶺選手。クリーンスタートでポジションキープ。7周目に300クラスの車両のタイヤが外れてしまい、フルコースイエロー(FCY)、直後にセーフティーカーに切り替わり、前車との差が縮まり、順位を上げるチャンスになった。

12周目にリスタートが切られ、2周後の14周目にポジションをひとつ上げる事に成功した。タイヤ交換、給油の為にピットインする車両が出始め、福住選手は4番手を走行。31周目にルーティンのピットインを行い、タイヤ交換、給油を済ませて、大津弘樹選手に交代。6番手でコースに復帰。大津選手は速いペースで周回を重ね、35周目には5番手に浮上。

45周を過ぎたあたりから2回目のルーティンのピットインを行う車両が出始めた。大津選手は49周目に最後のピットインを行い、タイヤ交換、給油を行いコースイン。しかし、逆バンクコーナーで、他車と並走しているときに当てられてスピンを喫してしまう。ダメージはなく、走行を続行。大津選手は9番手にドロップしてしまう。

57周目にシケイン手前で大きなアクシデントが発生し、ここでSCが導入され、直後に赤旗でレース中断となる。

レース続行が不可能ということで、レースは終了となった。16号車は、最終的には2つポジションを上げて7位で終了した。


鈴木亜久里監督のコメント

「車はだいぶ良いパフォーマンスが出せるようになってきたけど、あともう少しだね。ウェイトが軽いから次は何とかしないとね。でも良いレースを見せられると思います。しっかりと準備して結果を出します」


土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント

「大津が出て行った時に接触されてスピンしてしまって、それまでは良いレースが出来ていたので、それが残念だね。勝てる感触はなかったけど、ペースは悪く無かったから、次回は何とか前でレースを終えたいね」


田中洋克チームディレクターのコメント

「昨日のQ2は少し失敗しましたが、レースは修正が出来て乗りやすいバランスになったと思います。福住、大津とも良い走りが出来ていたのですが、大津のスティントで順位を争っていた車が少々強引だったかと思いますが、大津がスピンしてしまい、順位を落としてしまいましたが、しっかりポイントを獲れたので次に向けて準備をしたいです」


福住仁嶺選手のコメント

「順位を争っている車を抜くのに時間がかかってしまい、SCが入って直後に抜くことが出来たので、そこから自分達のレースが出来たと思います。ペースとしては良くも悪くもなくて、昨日のフリーからはだいぶ向上しました。セカンドスティントでタイヤチョイスに迷いましたが、ソフトを選んで大津選手も良いポジションでレースが出来ましたが、順位を争っている車に当てられたと思うのですが、そこで大きく順位を落としてしまいました。表彰台争いから脱落してしまいましたが、ロングランで良いところも見えてきたので、次につなげたいです」


大津弘樹選手のコメント

「仁嶺が序盤で順位を上げてくれましたが、ソフトタイヤの方がウォームアップの時間が短いということで、それを利用して順位を上げる作戦でした。それでボクのファーストスティントはそれで成功したのですが、2回目のピットもソフトで行ったのですが、アウトラップで当てられて順位を落としてしまい、もったいなかったです。アクシデントでレースは途中で終わってしまいましたが、表彰台を狙えるペースはあったと思いましたが、勝てるペースはまだ足りていないと思いますが、次のレースはウェイトも軽くてチャンスはあると思いますので、しっかり準備していきたいと思います」

Round.3 / 2023